ネコアシコンブ
あらパパさんの故郷、北海道厚岸郡浜中町の幼馴染よりネコアシコンブ漁の情報が入った。
北海道で採れる昆布の殆どが、旬を迎えるのは7月の中旬から8月の中旬まで。そんな中でも異質な『ネコアシコンブ』は北海道の道東のみに繁茂しており、今時期が旬なので現在、最良な状態で水揚げされています。
そんなネコアシコンブの特徴は、水深の深いところに繁茂していて増え方にも他の昆布には見られない特徴があります。そのため、下の写真をご覧いただけると分かりますが、地獄のような根っこ切り作業が…待ってるのです(T0T
根元の形が猫の足のようだという理由から、このような名前が付けられているとのことなのですが、他の昆布のように胞子で増えることの他、ネズミ講方式で増えていく昆布でもあります。
1本のネコアシ昆布の根元付近の膨らんだ耳部分から2本の子供が春先にかけて生えてきます。
春、子供のネコアシコンブが生長するにつれ、昨年までの親昆布は基部から腐れ子供から離れます。
『子別れ昆布』として、波打ち際に寄った昆布を拾い集める漁は、道東の春の風物詩にもなっています。
そして、生長した2本の子供の根元付近から、春先には4本の子供が生えてきます。そのまた翌年は8本、その次は16本…。
10年も経てば、1本のネコアシコンブは512本にもなる計算です。
問題は大時化などで、大きな株ごと抜けてしまったり、漁業者の採りすぎなども原因で、昔に比べると資源量は各浜激減のようです。
そんなネコアシコンブですが、独特な風味と滋味深いうま味と粘りの多い昆布ということもあり、知る人ぞ知る人気な昆布でもあります。
昆布の魅力にとりつかれたあらパパさんは、おふくろの味『雑煮』のダシにはネコアシコンブでなければダメというこだわりもありますし、おぼろ昆布は、あらパパさんの故郷ではネコアシコンブが主流なので、他の種類のおぼろ昆布では味気なさすぎで満足できないとう、少々困ったこだわりも持ってます。
おぼろを作る方々も少なくなってきている現代ですが、情報をいただいた幼馴染(あらパパさんの3歳年下)が今のところ継承者としては最年少のようです。
あらパパさんはその幼馴染に弟子入りし、近い将来継承者の一員として楽しみたいと思っています。
そうそう、あらパパさんが小学校の時、遠足のおやつにネコアシコンブの『ハダカセ昆布』を持ってきた漁師の娘を思い出し懐かしい気分にもなりました。
今頃、何処にいて、何やってんのかな~。