漁業の技術共有
利尻礼文では昨年の晩秋に、2年目の昆布が再生し出した種こんぶをロープに巻き付け海中育成させています。その昆布は早春から夏にかけてグングンと生長するのですが、その生長を少しでも即すために、3月の初めごろからロープに付着した雑草を取り除く作業を行います。
等間隔に巻き付けた昆布と昆布の間に、様々な海藻や昆布が自然に付着し、勝手に生えてくる。放置しておけばボウボウに伸びてしまって、素人目には養殖している昆布がどれかがわからなくなるほどです。
この雑海藻は様々な道具を使い掻き込んで駆除するのですが、その作業がまたまたとっても大変でかなりの労力を必要としていました。
その労力を少しでも軽減したいということで考案されたのが”ガムテープ”でロープを覆うことでした。
これは、単純でありながら画期的。ガムテープに自然付着した海藻や昆布は、そのガムテープを外すことによって駆除できてしまうのです。画像を見るだけでその”スッキリ感”がご理解いただけるでしょう。
この方法は、利尻礼文地区では近年当たり前に行われていることなのですが、養殖技術の先進地区である道南地区(恵山)では未だ行われていないようです。僕の知る限りの羅臼でも行われていないと思います。
恵山の漁業者からは、ガムテープを付けることによって昆布に影響はないのかという質問にたいして、利尻の漁業者からは、ガムテープを取り除くときには根を痛めたり若干ですが剥がれてしまうこともあるが、その場合は縛りつければ問題はないと回答。
これまで何年も行ってきて大きな影響はみられないという。
その他にも、胞子をとる母藻には天然を使うとか養殖を使うとか、昆布の株本数は何本だとか、間隔は何㎝だとか、実入りが良いとか悪いとか、走りに揚げるのはあのようにして、後から揚げるのはこのようにして…などなど、様々な方法や技術の共有があります。
これからの前向きなスーパー漁師たちに良い環境が生まれてきているのだな~なんて、あらパパさんも嬉しくなっちゃいました。
これからは魂の時代といわれています。自分だけ良ければそれで良いという考えでは何事も良い方向へは進みません。せっかく見つけた方法や技術は、公開し合うのがお互いの得策です。
もっともっとも~っと、道内各地のスーパー漁師たちが繋がって、北海道の漁業も良い方向へ向かっていってほしい。
あらパパさんも、浜の活気づく一助ができるよう頑張りたいと思う。
さて、忙しい漁業者には大変申し訳ありませんが、あらパパさんは今日からGWに入ります。車で8時間以上かけて帰省する予定です。
稚内から厚岸、厚岸から霧多布、霧多布から浦河経由で室蘭、室蘭から洞爺湖軽油で札幌、そして稚内。
北海道の大三角形を4日間で回ってくる予定です。
途中のブログアップは『番外編』としての記事が主になるかと思いますがよろしくお願いします。