千枚漬け
千枚漬けをWikipediaで調べると、京都の漬物のひとつで、概ね蕪(かぶ)を薄く切って昆布、唐辛子とともに酢漬けにしたものとあります。
あらパパさんが子供の頃よく食べたのは、母の作った大根の千枚漬け。
甘酢に食紅(赤色102号)を添加して、ほんのりピンク色に染めたものでした。
実はあらパパさん、京都でいう戦前から引き継がれてきた〝本物の千枚漬け〟を食べた経験がありません。
先日放映されたニッポン千年のだし。そこで紹介されていた伝統ある京都の千枚漬けは、蕪の甘さを引き立てるため、漬け込む際の材料は主原料の蕪以外は塩と昆布のみであること。さらに大事なのは、昆布のうま味はしっかりと染みわたらせながらも、昆布の色をつけてはならない。
純白の千枚漬け
だからこそ、北海道で生産される昆布の中でも、澄んだ良いダシのとれる「リシリコンブ」が使われてきたのでしょう。改めて、京都=リシリコンブ、リシリコンブ=千枚漬けということを、しっくりと理解することができました。
京都で作られる本物の千枚漬けを食べなければ本物の千枚漬けを知った事にはならないけれど、基本の作り方が紹介されていたので実際に作ってみることにしました。
この時期は主原料である蕪(聖護院)がないので、冷蔵庫にあった大根を代用。
番組で紹介されていた作り方は、蕪を仮漬けし、本漬けする際に、蕪と蕪の間に良質なリシリコンブを挟み込み、層状に積み上げ重石をするという。
作り方はいたって…
Simple is best.
そのシンプルさの中にも、あらパパさんが「おいおいマジかよ」と叫喚してしまう場面がありました。使用するリシリコンブへの品質のこだわりもそうだけれど、何より、その使う量には驚いた。
主演の夏奈が、できたての千枚漬けを頬張り『ん~~美味しい~』と悶絶するシーンにも…たまらなく叫喚。
うんまそーーーっ
※千枚漬け?夏奈?どっちがよ!とツッコミも入りそうですが…。
【作り方】
1㎜幅程度にスライスした大根200g(お試しなので僅かな量)
大根の分量に対して3%の天然塩6g(漬物関係は材料に対して塩3%が基本)
大根の分量に対して5%のリシリコンブ10g(京都の千枚漬けより多いかも)
材料はたったこれだけ
スライスした大根を少しずつずらしながら一列ごとに塩をふりかけ(振りかけるというより手に付けた塩をなじませる感じ)層状に積み上げ仮漬けする。
仮漬けしてる間に準備したリシリコンブに霧吹きをしラップに包んで柔らかにする。
柔らかになった昆布は適当な大きさに切り分ける。
材料の下準備はたったこれだけ
仮漬けした大根から水分が出て、大根がしんなりしたころ、簡易漬物器に大根と昆布を層状に積み上げて重石をする。
漬け込み作業はたったこれだけ
あとは冷蔵庫で1週間から10日以上漬け込んで、お好みの美味しさになったころ食べてください。漬け込み温度によって発酵の進みが変わってくるので、乳酸菌の仕事である酸味が、好みの美味しさになったころを合図にいただくと良いでしょう。
あらパパさんは今回、少しの量を試してみましたが(今回で3回目)、蕪が旬を迎える秋には、樽で大量に作ってみたいと感じるほど美味しかったです。簡単ダシ。
それとね、純白な千枚漬けを意識しなければ、道内各地で採れる昆布であればどのような種類の昆布でも美味しくできるはずです。
昆布の消費が低いとされる北海道民ですが、戸棚や納戸の奥の奥にしまってある『貰い昆布』がありましたら、じゃんじゃん使って、本格的な千枚漬けを自家製し、食卓にあげてみては如何でしょうか。ご飯のおかずにも、お酒のアテにもよろしいかと思います。