食べる昆布
この前ね、あらパパさんの故郷、浜中産のナガコンブの棹前昆布を入手しました。
しかも、貴重な部位の棹元(さおもと)です。
棹元って…何?
その貴重な部分を、単に食べたい、部下君にも色々と知ってもらい感じてもらいたいという思いもあったのだけれど、それ以上に再確認したいことがあって、故郷の幼馴染でもある同僚へおねだりをして貰っちゃったってわけさ。
で、何を再確認したいのかというと、昆布は〝生産された年のものは繊維が硬い〟ということです。
棹前昆布のように〝食べる昆布〟として、しかも『早煮昆布』として消費者へ販売しているのだけれど…。
あれ?と思うくらい硬かったはず
一般の消費者の方々が何も知らずにその年に生産された昆布を煮て食べたらどう思うでしょうかね。
そう言った部分を再度確認するため、そして今後、消費者様へアドバイスするためにも、水戻しから水煮時間、調味液で煮る時間など、調理の工程と食感の硬さをチェックし、日が経つことでどの程度の自己消化が進み繊維がやわらかくなってくるかを記録したいと思ったんだよ。
昔(10年以上前)、根室に住んでいたころ、貝殻産の棹前昆布の棹元を賄いでいただいた時〝煮て食べたら柔らかくて美味しいよ~〟と漁協女性部の方々から勧められたので、実際にあらパパさんも煮て食べみようと思って、煮たさ、煮てみたさ。
したっけ、全然柔らかくなんないの
煮方とか作り方が悪いのか(悪い部分もあった)と、その時はそんな風に思ってたんだけど、そうじゃないって事が、当時頂いた貝殻産の棹元を、10年以上経った今になって煮てみたら分かったのさ。
煮なくても水戻ししただけで凄く柔らかになることを
だからさ、どのくらい経てば、一般の方々も十分に『早煮昆布』だと思える昆布になるのかが知りたくなったってわけ。
ちなみに10年以上経った貝殻産の棹元は、水戻し20分、水煮20分、味付をして10分煮て、自然に冷めるまで待つ。これで十分トロトロで柔らかになる。
とりあえず今回はね、先日同僚から頂いた浜中産の棹元の状態がどうなるのかを記録することしにしました。
香を嗅いでみた。
懐かしい潮の香が堪らなかった。
子供の頃の昆布干しとか、干せた昆布を高く積んだトラックの荷台とか、昆布倉庫とか、夏休みの天気の良い日に遊べなかった悲しい想いとか、そんな色々なことが脳裏を駆け巡る。
あらパパさんは想い出に浸りながら、浜中産の棹元は水に浸した。
水戻しは2時間ほど。部位によってはそのままだったり、幅の広いところは縦半分に割ったり4分割したりして結んだ。
こんな感じです。
それをさ、コトコトと調味料を入れず40分くらい煮ると、こんな感じ。
硬くはないけど柔らかくもなく、繊維が元気なのかパッキパキで結びが解けるんだよ。
それを一度冷ましてから、再度火を入れる時に砂糖を入れて30分ほど煮る。
それから、自家製かえしをお好みの塩梅で入れ、コトコトと1時間くらい煮たかな。
それを丸一日休ませて、それでやっとこんな感じまでなります。
今年の6月に採った新しい昆布を7月に食べる場合は、これだけの調理方法と時間をかけてもトロトロした食感にまではならない。
昔、とある食堂で食べたトロトロで美味しい棹元の結び昆布を5段階評価の5とするならば、思った以上に時間と日数と手間はかけたけど、今回の煮昆布は4と評価。
水戻しして1時間くらい煮た程度での硬さは1か2くらいの評価でした。
それでもさ、煮昆布としてはやっぱ美味い
利尻や羅臼や函館の高級出汁昆布と違って、煮て食べる昆布はやっぱナガコンブが一番だわ。
申し訳ないけど、日高昆布やアツバコンブは昆布巻であれば軍配は上がるかもしれない、だけど、おでんとかに入れる煮昆布であれば、ナガコンブの食感や美味しさに敵う昆布はないと思う。
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