昆布の天日乾燥
北海道の昆布には道内各地で様々な種類が水揚げ生産されています。
天気の良い日は天日乾燥で昆布を干す
一般的なイメージとして当たり前のように感じると思いますけど、実は〝天日乾燥だけ〟で仕上げる昆布はとっても希少なんです。
北海道各地の昆布の性質によって、天日乾燥を主体としている地域はあるけれど、本乾燥までに晴天三日を要する身の厚い昆布にあっては、様々な理由により室内乾燥で処理されています。
一番の理由は出漁日数の確保と作業効率、そして昆布の仕上がり
天日で乾かない日は出漁できない、そうすると当然、収入につながらない。
天日を主体としてしまえば、太陽の条件によって人手の人数と時間も必要になる。
それと、昆布が芯まで乾かない状態で保管を続ければ、昆布は白く荒れてしまう。
天日乾燥にこだわっても、昆布が白く荒れてしまえば等級は下がり、結果、収入も下がるというわけだ。
昔は、天日乾燥にこだわっていたのでは、と聞かれる方々もいらっしゃいますけど、昔は昆布採取から製品化までに関わる資材や乾燥施設が充実していなかったというだけのことで、こだわっていたかというとそうではないのではと思います。
機械乾燥を導入したころには、妬み的な思いから機械乾燥を排除しようとする運動が『昆布は天日乾燥でなければダメなんだ』というこだわりみたいなものが生まれたんだと思う。
現在は何所の地域でも機械乾燥の導入は当たり前となっています。その環境で、あえて天日乾燥にこだわって製品を作る生産者は、特に、身の厚い昆布を生産する産地では絶滅危惧種的作業になっています。
とは言え、天日乾燥の美味しさを知っているあらパパさんはやはり天日乾燥にこだわりたい。
こだわって作っても、その作業の対価が伴うのであれば頑張る生産者もいるだろうけれど、そういった昆布の価値も需要もない現代では、誰も好き好んでそんな手間のかかる昆布を作る生産者はいないだろう。
昆布が白いだけで注意をする昆布の検査員とか、昆布が白いだけで売れ残ってしまう消費地での現状が、今もありますものね。
そこで、昆布に生かされ、昆布の本質を知り、天日乾燥の美味しさを知っているあらパパさんは、晴天三日を要するという身の厚い昆布を天日乾燥で仕上げてみたいと思ったのでした。
注)天日乾燥が良くて機械乾燥が悪いということではありませんので誤解のないようお願いします
先日、とある浜から天日乾燥で8分乾燥した昆布を数本分けてもらいました。
それを翌日、自宅の駐車場脇で丸1日天日乾燥を行いました。
カラッカラに乾いた昆布の葉元の石付を切って乾燥具合を確認しました。
もうちょいかな
今日も稚内は早朝から快晴だったので、葉元部分を乾燥させようと天日に当てるも…。
あれあれという間に曇り空、しかも明日からは雨模様…。
これだもん、100%天日乾燥で仕上がりの良い昆布を作るなんて、身の厚い昆布を生産する産地では皆無に等しいのかもしれませんね。
今朝の利尻島鴛泊も朝焼けが綺麗で昆布が初出漁。他の地域はウニとノナ。
干したころには太陽をまともに浴びることなく曇り空に…(悲)
良い昆布を選んで採取したのにと、漁業者の嘆き。分かるな~その氣持ち。
礼文島船泊でも今日が初水揚げ…。
少しでも乾いてくれることを祈っています。
天日乾燥なんて、そう簡単にできないんだね。
でも、欲しいな~、旬の昆布で天日乾燥のダシ昆布。