あらパパさんの葛藤
前回の記事で紹介した『旬の昆布』に引き続く内容になりますけど、古くから続けられてきた見た目の品質と、食材としての美味しさの品質の間で、あらパパさんは長く葛藤しています。
昆布検査員として、漁業者へは見た目を重視した説明方法。
昆布大使として、消費者へは美味しさを重視した説明方法。
見た目と味は比例しない
昔から、『黒く厚く艶のあるものが良い昆布』というのが、昆布を使わなくなった現代人にも少なからず引き継がれている知識です。
全否定はしないけど、戦前の日本人のように昆布の本質を知らなければ、その認識を持っている現代人のほとんどは、あまりダシの出ない品質の昆布を良い昆布だと、間違った見方をしている方も少なくはない。ってか多い。
それは消費者だけでなく、昆布を普段から使わない生産者や昆布関係者も然り。
先日入手した利尻昆布の切れ端を、あらパパさん目線で選別してみました。
切れ端を譲っていただいた生産者曰く『切れっ端だけどイイ部分ばっかりだよ』と自信満々に。
確かに、枯葉や赤葉は綺麗に除去されているし、葉元の部分も多いので、検査基準的には9割型良い部分(写真上)と言えるかもしれない、だけど美味しさのレベルで見ると、まずまずの品質は2割程度しかない(写真下)のです。
譲ってくれた時の生産者の自信満々で嬉しそうな表情と、高価な昆布を購入してダシをとったけど、期待はずれの美味しさにガッカリしている消費者の悲しい表情。
ダシの出にくい昆布は量をたくさん入れると味の面では問題解決。だけど高価な昆布を購入された消費者はそうにはならない。昆布離れが進むだけだ。
葛藤は課題だな
なんとかせねば