昆布の傷
厳しい自然界に育つ昆布には様々な傷が付いております。
なのに…
『傷のないもの』
この様な規格が設定されていること自体がどうかなと…思う。
規格に則り、長く昆布検査を行なってきたあらパパさんが言うのもなんですけど、せめて『極少ないもの』とかからにはならなかったものかね。
久々に冒頭から話が脱線してしまいました。
昆布の傷には磯に擦れてできる傷もあれば、ウニなどの食害もあるし、採取するときに捻れて割れたり鎌で傷が付いたりと、海中だけでも様々な理由があります。
今回紹介したい傷は食害。
食害で思い当たるのは、ウニ、イトマキヒトデ、磯ツブ
食害ではないけれどウルシグサの類が付着した跡など、昆布の表面には穴や傷、模様などができあがります。
今年の宗谷管内のリシリコンブで特に多かったのは磯ツブの食害です。
消費地からの問い合わせもありましたので、その写真とともに紹介したいと思います。
磯つぶの食害は、ウニとは違った特徴があります。
表面だけを食べながら進むので食浪がこのとおり…。
見た目はなんとも汚らしい。
このような傷は、穴が空いてるわけでもないし範囲や程度も様々なので、昆布製品づくりの説明会では、漁業者への説明方法も理解も難しい項目です。
あらパパさんも以前からこの食浪が磯ツブであることは分かってはいたのですが、実際に磯ツブといっても様々な種類があるので、どの磯ツブなのかを断定することができていませんでした。
今回、検査の合間を見て漁業者にうかがってみたところ…。
やっぱこいつだったか!
クマノコガイ
この磯ツブの種類は、海水魚を飼育する際にガラス面についたコケを掃除する巻貝としても重宝されているらしく、なるほどと思った。
実はこの磯ツブ、食っても美味い。
今年の利尻島では、宿泊先の子供達と大量にとってきて塩茹やワイン蒸しで食べた。
なんぼでも喰える。
小さいけど爪楊枝で簡単に剥けるし、グリグリの肝の部分も癖がなく美味しい。
機会があれば昆布の食害防止に皆さんも食べてみては如何でしょうか。
密漁にはならないらしいので安心してとって食べてください。
間違ってもウニなどの漁業対象魚種には手を出さないように。
ヒルガイはどうなんだべ?ヤバイか…。
あっ、ちなみにさ、昆布にどのような傷があったって、美味しさは変わりません。
美味しさの違いは昆布が旬であるかどうかということが一番重要なのです。
消費地から届いた上の写真は、かなり旬を過ぎたダシの出ない昆布ですけど…ね。
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