多くの人手が必要です
北海道の各浜、昆布漁が旬を迎えております。
今日は前任地の日高地方より、昆布漁の便りが届いてました。
船の上から特殊な形をした竿を使い良質に育った昆布を選び掬い上げ手で抜き採ります。
若い漁業者は力任せに抜き採ることもありますが、熟練された昆布漁師であれば波の力も使い上手く抜き採ります。
中には質より量と言わんばかりに無選別で抜き採る漁師もいますが、量より質にこだわる漁師は掬い上げた昆布を選別し、良質に育ったものだけを抜き採る姿勢には感心させられます。
・なんでも採ってしまうなら『切り上げだ』(終漁)となってしまう昆布部会。
・何でも採ってくる生産者は標準ラインが低くなるので全体的に選別ラインが低下するので検査も難しいと嘆く検査員。
・良い昆布を採った生産者は1等になる良質の昆布が多いので、夜な夜な買い付けに向かう闇業者や白昼堂々と買い付ける某GK。
・なんでも良いからたくさん採って生産量を上げてくれという、末端昆布業者や手数料をいただいて何ぼの関係機関^^;
採取方法ひとつとっても、昆布に関わる立場が変わるだけで賛否両論。面白いもんです^^;
そうやって採ってきた昆布。お天道様が照り付ける時間帯にできるだけ早く干場(かんば)に並べて干しあげることが大事なのですが、『おかまわり』(陸で仕事をする方々)の人数が多いほど昆布を干しあげる時間は短縮されます。
なので、各漁家では昆布漁が始まる数か月前(場合によっては1年前)から『おかまわり』の確保も大変な仕事の一つなのです。
そのおかまりさんへの報酬(アルバイト賃)も悩みの種。
隣近所との仕事量(人数が多ければ仕事が楽、少なければ…)や金額のバランスがトラブルの原因にもなります。
かといって、おかまわりを多く、どこよりも高い賃金を払っていたら人件費がバカにならない。
だからこそ、サラリーマンや学校が休みの土日や夏休みに出漁してくれると漁業者は助かるのですが、それがまた上手くいかない。
今日の日高地方は天気が良かったようです。
サラリーマンの息子や孫、近所の知人や子供たちも総出でお手伝い。小さな子供も担い手のひとつ。
うま味の凝縮した北海道の良質な昆布!!
想像以上の手間と努力と苦労が…。
ありがたいですね。
風味豊かな美味しい昆布に感謝です。
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