元INUA開発担当のShui Ishizakaシェフの昆布フルコースを堪能
2022/06/21
先日、共同会社シーベジタブルの料理開発担当(元INUA開発担当)Ishizakaシェフが作られた昆布料理のフルコースのポップアップレストランに参加し、シェフの豊かな感性に圧倒されました
これまで長く考えてきた昆布の美味しさや魅力、食材としての可能性をが一掃されたような感じです
普段から、固定観念や先入観を捨てて新たな感覚を持ちながら昆布について考えていくことを意識していたはずのあらパパさんでしたが…全くもって度肝を抜かれてしまいました
昆布巻や結び昆布、佃煮など、昆布が主役となる料理もあるけれど、基本的に昆布という食材は縁の下の力持ち、名わき役的な存在で、メーンの食材の美味しさを引き立てるのが役目
ダシとして使ったり(ダシ用昆布)、煮て食べてみたり(食べる用昆布)と使い方は単調で、昭和初期から食材としての昆布の位置づけは変わらない
そんな中、これまでと違った使い方のアイディアや調理法を様々な方々が模索し試作しているけれど、あらパパさんも含めてその殆どはありきたり…
特にダシガラ昆布の使い方は…そのままじゃねーかよと叫びたくなるものばかりなのです
先ずもって、昆布という食材を料理に使うというスタートラインから、乾燥した昆布をどう使うか!?だけではなく、生のコンブは入手できるのか!? 出来るとするとどのような種類が手に入るのか、それはいつでも入手可能なのか!
画家が白いキャンバスに絵を描くように、料理人も既に作られた食材を使うのではなく、活きた食材をゼロから手をかけるからこそ、独創性ある料理が作り出されるのだそうです
乾燥した昆布や加工された昆布は既に誰かが色を付けたキャンバスと同じなんだとおっしゃってました
今回作った料理のほとんどは、新しい切り口から考え抜いた料理ばかりではなく、これまでの日本の食文化を参考にし、そこからアップデートしているのだそうです
とは言え、乾燥昆布や加工品から独創性のある料理を作り上げるシェフの感性はすごかったし、活きた生のコンブと様々な食材や調味料との調和が素晴らしかった
昆布はメーンの食材を引き立てる役目だけでなく、その他食材と協調をとりながらも、しっかりとした調和をとることができる素晴らしい食材であることに気づかされました
シーベジタブル ポップアップレストラン
メニュー表
1、じゅんさい、おぼろ昆布、昆布森の牡蠣だし
カキ以上にカキのような味と食感
生ガキの嫌いな方でも食べられる美味しさでした
2、スモークした昆布の天ぷら、レモンタイムと虎の尾ビネガー
昆布のもっちりした食感と香ばしい風味とサクサク感がたまらない
3、生の猫足昆布、カボチャ節、ウニとヘーゼルナッツ
猫の足型に抜いた猫足昆布
カボチャ節のアクセントとウニヘーゼルナッツのソースとともに…
味の想像はできないはず
4、季節のベリー、生アーモンドミルクとロースト昆布オイル
あらパパさんお勧め
今が旬のベリーとの相性が抜群でした
こういったスイーツを若い方に食べてもらって
昆布のイメージを変えてもらいたいですね
5、アオリイカの昆布マリネ、イエローズッキーニ、発酵セップ茸
絶妙な火入れのアオリイカ
ロースト昆布オイルを作る時にでるうま味の濃い屑昆布や
ハマナスの花びらで風味づけ
セップ茸のうま味と相まって言葉が出ない
6、スジメのスナップエンドウ汁漬け、十六ささげ、黒トリュフとラベージ
スジメの模様が蛇に似ている
ささげの形を牙に見立てて細々牙と言う説があるので
この使い方と組み合わせを思いついたのだそうです
まさにアートですね
7、親子椀
カツオの昆布〆に
カツオと昆布のダシ(松葉風味もプラス)を注ぎ
親子椀が完成
8、ウチワエビの直火焼き、燻製トサカノリ、トマトとかんずりオイル
今回どうしても昆布以外の食材を一つ入れたかったという一品
今がとても美味しい時期のウチワエビ
今料理しなければ来年まで作れないという思いから
(旬の美味しさを大切にしています)
9、長昆布ステーキ、椎茸と松の新芽
葉元から4メートルを超えるナガコンブ
昆布のポリポリと椎茸のプリプリと松葉のフレーバーが堪らない
まるでお肉でも食べているかのようなボリューミー
10、緑米ととろろ昆布のちまき
昆布に包まれたちまき
緑米に加工品のとろろ昆布が…
うま味の固まりです
11、昆布と豆乳のムース、洋梨と麦麹のアナメクリスプ
アナメの絵画を説明するシェフ
アナメをイメージした
昆布と豆乳のムース
直ぐ溶けてしまうので写真を撮ってる暇はないかも…と注釈
口に入れると一瞬で消える美味しさ
食べ終わる頃には夢のような出来事に…
12、羅臼昆布のハチミツとバニラ煮、ドライフルーツと生くるみ
ハチミツとバニラと昆布ダシで昆布をゆっくりと煮込む
昆布なのに食感も風味も味もアップルパイかのような美味しさ
羅臼昆布もビックリでしょうね
13、プラムの昆布締め
板状の昆布が出てきました
揚げた昆布は箸休め?
板状の昆布を返すと…ゼリー状の膜が張り付いている
梅昆布からヒントを得て作られたそうです
コース料理の最後にお口がさっぱりリフレッシュされました
ノンアルドリンク
長昆布のコンブチャとラベンダー
昆布、パッションフルーツとキハダの実
生あつばアオサ、カシスの葉と間引きマンゴー
トサカノリ、ルバーブとレモンバーベナ
(プラムの昆布締めに写ってます)
茶花紅茶
(撮るの忘れた)
それぞれの料理の説明を伺ってはいたのですが、メモする暇もなく、動画を撮る余裕もなく…
適当な紹介はできないので料理名と写真のみの紹介とさせていただきます
このような素晴らしい昆布フルコースを作られたシェフは現時点でIshizakaシェフ以外にはいらっしゃらないだろうし、当然食べたことのある方々も日本中、いや世界中でもこの日のこの場にいた方だけだと思います
大変素晴らしい、貴重な機会をいただき感謝いたします
そしてこの日、つながるべくしてつながった方々とのご縁も大切にしていきたいと思います
昆布のスペシャリストあらパパさんは、原点に戻り改めて昆布についてを学び直しています
昆布製品の6次産業化、製品のアイディアなど品質のこだわりや管理
あらパパさんの意識と共鳴した、共振した、似た目的だ!
そう思ってくださった生産者や販売者の方々に、あらパパさんの持っている情報や知識、そして時間をご投資させてください
一般消費者の方からのお問い合わせも大歓迎です