乾燥した昆布にとって湿気は大敵?

乾燥した昆布にとって湿気は大敵です

湿気ると昆布にカビが生えます

なので、〝長期保存する場合は”湿気らないように管理することが大切です

しかし、湿りは乾燥した昆布にとって重要でもあるのです

あらパパさんの好みと贔屓もあるのかもしれませんけど、湿りを上手く使い製品化し『うま味と風味』を最大限に引き出されている昆布は羅臼で生産されているオニコンブです!

オニコンブという種類がそもそも持っているポテンシャルの差もあるのかもしれませんけれが、あらパパさんが思うに、昔ながらの製法の要点を省略せず現在も引き継いで製品化しているところが更なる美味しさを引き立たせる要因なのだと思うのです


道内各地で生産されている様々な種類の昆布は、地域の様々な環境に合わせて進化してきてましたが、あらパパさんの思う製法の要点を現代も重視しながら生産している地域(生産者)は少ない

現代の昆布のうま味が低下してきたという多くの評価は、こういったところに大きな理由があるのではないかと思うのです
乾燥方法と保管方法の進化が進むにつれ生産効率の充実化は図れてきておりますが、実は時間が経つにつれ品質変化の著しい製品が多く出荷されていることも間違いのない現実なのです

簡単に説明すると、乾燥機の普及により高温多湿であっても乾燥させる技術が高まりました
保管はエアコン完備の昆布倉庫が一般化したことから色沢変化を抑える効果があったり、早期出荷のできる環境が整ったりと、仕上がった昆布のポテンシャルが見え難くくなったのです

コンブは通常、乾燥させると特有の色沢で仕上がります
しかし、天日であれ乾燥機であれ高温多湿で乾燥させた昆布に湿りが入った場合、再乾燥させることでうま味の元の白粉(マンニット)が浮き出てくることが多いが、一度乾燥させた昆布を湿気らせなければ品質変化は抑えられます

その点、生産の段階で乾燥後の『湿りとアンジョウ』を行うことは、最終仕上げされた昆布製品の昆布のポテンシャルが見えてくるので、その品質に応じた選別が出荷前に行われることになるのです…白粉だけでなく変色や青コケ(青ネロ)も…です

あらパパさんが、どちらの生産方法がいいと判断したり推奨したりすることはできないのですが、消費地に届けられた昆布製品が、保管状況によって様々な状態に変化することは間違いありません

想像してみてください
道産子民の想像をはるかに超えた本州の高温多湿気候(環境)を…

除湿低温の管理のされたしっかりとした昆布倉庫のある環境以外では昆布製品は柔らかくなってしまうのです
やわらかになってしまった昆布は太陽に当てると乾燥しますが、モノによっては白粉が多く出てくるのです
こうなってしまうと、加工用としては使えても、葉売りとしては使えなくなるのです


今年はどうしたことか、あらパパさんの住む北海道の釧路市でもお盆を過ぎて秋めいてきたと思ったのもつかの間、高温多湿の日々が続いています

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クソ暑い日々ですが、湿りの風を入れず窓を閉め切りで除湿機をフル稼働していたのだけれど、シートに包んで押入れに保管してあったあらパパさん専用の『入浴剤用リシリコンブ』はクッタクタに柔らかになってしまったのです

天気の良い日にでも日入れ(太陽に当てる)を行わなければと思っていても、なかなか天気にならないし、なってもガス(霧)やジリ(霧雨)が酷くて昆布を出せない

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昨日、久しぶりにお天当さまがギラギラ照りだし、草木に下たる朝露も、地面の湿気りもすっかり乾燥して最高な日入れ日和になりました

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おかげさまでクッタクタに柔らかくなった『入浴剤用リシリコンブ』もパリッパリに乾燥しましたが、見事!真っ白になるものと、程よく黒いままのものが現れたのです

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何れも天然リシリコンブです
真っ白になった昆布は、乾燥機完備、保管庫完備の生産者が作った製品
適度に黒い昆布は、天日乾燥が基本で、保管庫はシートのみで頑張っている生産者が作った製品です

ちなみに、乾燥機完備で保管倉庫完備の生産方法がダメってことではありません
上手に乾かした昆布は天日であれ乾燥機であれ、湿りとアンジョウの環境に耐えられる艶やかで芳醇な香りのある昆布に仕上がるのです

あらパパさんが国内一だと評価する羅臼のオニコンブの乾燥は、ほぼ機械乾燥で乾燥させ、乾燥後に湿りを加える(人工湿りは程度によりうま味は劣る)製法なのですから…

昆布って本当に奥が深いですね



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