昆布の価値観
先日、漁協関係のお偉いさんと少しだけお話しさせて頂いたときの事なのですが…。
その方は、昔々から変わらず昆布を普段使いする方で、お味噌汁のダシには昆布は欠かさないそうです。
普段、奥様の好みで昆布×かつお節のダシを使われているそうですが、実のところは昆布と煮干しの方が好きなのだそうです。
奥様に気を使われているのでしょうね^^;
その方とあらパパさんは根室時代の時からのつながりになるのですが、その時から既に、昆布の価値を分かって頂ける方だったので、当時豊富に在庫してあった羅臼昆布をもらって頂いたりもしたことがありました。
先日も、あらパパさんの事務所に顔を出して頂いたとき、『職業柄すばらしい昆布を頂くことがあるのだけれど、立派な昆布を折って使えないんだよね』、『どうせ使うのだからもう少し立派じゃなくてもいいし、細くたっていいし、短くたっていいし、美味しけりゃ何も問題ないんだけど…』と、おっしゃられたので、あらパパさんの事務所で管理している、3等品の稚内産リシリコンブをサンプルの中から数本差し上げました。
そうしたら、『お店でも使いやすくて美味し昆布が売っているのなら、普段使いする人なら喜んで買うのにね』…と。
その言葉を切っ掛けに、様々なお話しをさせて頂きました。久々に興奮しました。良い意味で^^v
その内容の全てを紹介することは出来ませんが、目からウロコ的な事だけを紹介したいと思います。
・昔々、景気がとてもとても良かった時代。
・『昆布』というものが贈答用として貴重視されていた時代。
・桐の箱に入った高級昆布が1枚入りで1万円したとかしないとか言われた時代。
・お中元やお歳暮で『高級昆布』を贈られると、『俺ってすごいんだな~』と思ってしまうような時代。
・昆布が重要視されているころは、一般家庭でも昆布が普通に使われてた時代。
そのような時代から、昆布の店頭での売り方って正直あまり変わってないような気がすることに気付いたのでした。
景気が良く、贈答用として贈っても頂いても貴重視され、化粧箱に入った高級昆布はとても高価で、お中元やお歳暮では縁起物として喜ばれた時代であれば、今現在の売り方であっても、それはそれで良いのかも知れない。
だけどさ、和食離れの現代では一般家庭で昆布を使うことが少なくなってきている、そんな時代に昆布を頂いて喜ぶ方も少ない。そのような環境で、昔ながらの売り方ってどうよ!?と思ったわけさ。
魚だって、一本一本化粧箱に入ってる商品は贈答用であって、家庭で食べるために買う魚はそうじゃないでしょ。
以前、沖縄出身の友達からも聞いたことあるのですが、普段食べる昆布は袋に詰められている商品よりも、安けりゃバラ売り(目方売り)で買ったほうが良い!!というし…。もう少し何か時代に合った別な方法もあるのではないでしょうかね。
ちなみに、あらパパさんが買うとしたら、バラでも良いので適正価格で良いもの(美味しいダシの出るもの・食べて美味しいもの)を!が大前提。
・美味しい昆布を安く入手したい。
・見た目の価値より、味の質が欲しい。
・家庭で毎日使うので年間3㎏~5㎏をまとめて購入したい。
昆布を普段使いする天然記念物的な一般消費者からは様々な要望があります。かといって、『安くて質が良く美味しい昆布』が一般消費者に届けられるかというと、現状での採取・出荷・流通・販売・消費の環境では…かなり難です。
何か大きな大きな枠組みを取っ払うと出来るのかもしれないですが、それに関わる人々が多ければ多いほど、大きな壁が立ちはだかります。
やはり、大きな樹を育てるには、何事にも順応できる小さな種を撒くことの方が、確実にじわじわと前に進める。
昆布を食べてくれる人がこれ以上少なくなる前に!!
昆布を採ってくれる漁業者さんがこれ以上少なくならないうちに!!
それぞれに魅力ある環境ができるとイイですね!!
採る人、売り買いする人、食べる人、それ以外の人。
食べる人は採る人がいなければ食べたくても食べられない。
採る人は食べる人がいなければ採っても仕方がない。
売り買いする人は、何やかんや言ったって、食べる人と採る人がいなければ生きてはいけない。
それ以外の人は食べる人も採る人も、売り買いする人もいるからこそ生きていける。
北前船の時代じゃあるまし、食べる人がいて採る人がいれば、現代での売り買いは成立する。
食べる人がとことん少なくなるか、採る人がとことん少なくなるか。この業界は落ちるところまで落ちなければ、本腰を上げられないのか動けないのか足かせが重いのか気づきたくないのか。この辺も全く昔から変われない。
だけどさ、落ちるところまで落ちて困るのは確実に、食べる人<採る人<売り買いする人<それ以外の人。という計算式になる。当然と言えば当然な話だ。
あらパパさんのように、それ以外の人は近い将来どうなるんだべ!? 給料減らすか人減らすかで済めばいいけどね。
業界の中でも、面等向かって本心は言えないようだけど、遠回りな言い回しをしながらも言いやすい所から対策が始まったりする…。そうなった時は、必要な組織であろうがなかろうが廃除されるものです。
弱肉強食の世界では当たり前かもしれないけれど、人と人が関係している以上、その人をその組織を好きか嫌いかで、そのジャッチが決められることは多々ある。世の中そんなものです。
昆布の生産量を増やしたいということで、漁場整備とか、後継者育成とか、採取方法の前倒しとか、価格の安定とか、共同経営とかいろいろと生産地では提議されているけど、あらパパさんから言わせれば『そったらもので何かなるのか!!』『結果に対して結果で対処してるだけのことじゃね~か!!』と叫びたい。
食材のその殆どは食べる方がいてナンボのものです。
食べる人が増えればおのずと自然にそれに見合った生産量になるものです。
食べてくれる人がいなければ、生産量を増やしても何もなりませんし、どうしたって増えないです。増えるわけがない。
結果は原因アリキです!
原因変えず結果は変わりません!!
誰が何と言おうと、これは宇宙の法則です。
さてさて、こんな話をこんぶログに載せるのは今回限り?にして、今年度も何か面白い事ができる年になるよう楽しんで行動してみようと思う。
長いこと『めんどくせ~』話にお付き合いいただき感謝です。
頭こんぶの話から始まった『めんどくせ~』シリーズは、これで最後になりますが、全てあらパパさんだけの私見です。
なので文句があっても、異論があっても受け付けませんが、どうしてもというのなら、あらパパさん個人へヨロピク!!^^v
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