なまらウマいぞ北海道-こんぶログ

ギンナンソウの品質保持を一年かけて調べてみます

2024/02/23
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稚内市のギンナンソウ生産者さんから『乾燥ギンナンソウの可能性を調べて欲しい』という依頼は、巷で流通している乾燥ギンナンソウって、昆布のように長期保管に向いている食材なのかどうかを知りたい、というのです

ご自身でも色々と調べてはみるというのですが、あらパパさんの忖度のない厳しい判断で乾燥ギンナンソウのことを色々と調べて欲しいというので、個人的な判断であればいくらでもやりますよ!ってことで了承しました

早速、追加で稚内ブランドの鮮銀杏草(100g×6袋)が届きました

乾燥ものだけでは面白みがないので、先ず一袋は半分を生のままで、もう半分はサッとボイルして塩蔵ギンナンソウを作ってみました

それぞれを軽く洗浄し大量の塩をからめザルに上げて水切りをする
ギンナンソウの状態は、生がサラサラとしボイルはドロドロブヨブヨしている
生は水が殆ど出てこないのに対しボイルは大量の水が出てくる
おそらく、一瞬のボイル時に水溶性食物繊維であるアルギン酸が水分を吸収し膨張しているのだと思うが、水切りしても嵩張りはボイルした方が大きいので、塩漬け後であっても水分は多く含まれていると思う
生とボイルの塩蔵ギンナンソウをそれぞれ冷蔵保管することにしましたが、日持ちの違いがどうでるか楽しみです
食感や風味や簡便性については、漬け込みから一週間目に食べてみたところ、それぞれに向き不向きはありましたが、いずれもこの時点では美味しくいただけました

乾燥ギンナンソウは、ほぼ無風で晴天の日を選び屋外で乾燥させてみました

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スダレの上5袋分をバラ干しし、適度に撹拌しながらお昼過ぎまで乾燥させました
午後から風が吹いてくると乾燥して軽くなったギンナンソウが吹き飛ばされてしまうため、約6分乾燥くらいでしたが室内へ移動させました

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室内の窓際で夕方まで乾燥させようとしたところ、ギンナンソウの独特な磯臭さが充満し、家の中が臭いのなんのって…、あらママさんからは即クレーム!
仕方がなく、スダレに巻きこんでベランダへ移動しました

翌日、約8分乾燥ではあるけれど、アンジョウしたことでムラなく仕上がっていました
この日は風も強くスダレでバラ干しすることはできそうもないので、魚カゴに入れて乾燥させた

乾燥が進むと見えない物が見えてきます
取り除くのも一苦労

一度しっかりと乾燥させてから、適度な湿りを入れてアンジョウすること3日間、出来上がりは110g
生の約2割ほどになりました

乾燥したギンナンソウを10gずつ袋詰め
鮮銀杏草の入っていたビニール袋へ、1つはそのまま、2つは乾燥剤を入れて、もう2つは乾燥剤と脱酸素剤を入れた
それと、アルミ(片面が透明)袋へ2つはそのまま、もう2つは乾燥剤を入れて、そして残りの2つは乾燥剤と脱酸素剤を入れた
合計11袋を段ボールへ入れて常温保管

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風味や食感や簡便性については、出来上がりを即日に食べてみたところ、これもまた塩漬けと同様にそれぞれの向き不向きがあり、この時点ではいずれも美味しく頂くことが出来ました

今後3ヶ月ごとに、生とボイルの塩漬けと乾燥ギンナンソウの食味検査を行っていこうと思う

あらパパさんの経験上、昆布以外の乾燥海藻の常温保管は1年が限界かと思っている
味というより風味が劣化するのです
日向臭いというか戸棚臭いというか変な匂いがついてしまう(日高の乾燥フノリで経験している)のです
しかし、脱酸素剤を入れることによってそれを解消することができるかもしれないし、そもそも、乾燥フノリと乾燥ギンナンソウは違うかもしれないし…

さてどうなる事か、とりあえず3か月後が楽しみです

食味の詳細や状態の写真については、後日、依頼者へ報告いたします

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